非常に割安な物件が市場に出てくる仕組み

不動産投資

 

非常に割安な物件はある割合で存在する

ここ最近の不動産価格の高止まり感により、もう、割安な物件は市場に出てこないのではないか、この市場では不動産投資はもう難しいのではないかと考えている人も多いと思う。

割安な物件はいつの時代も必ず出てくる。それは、不動産というのは、特に中古物件の場合は、その物件毎に価格を付ける人が異なる。たいていの場合は、売主は売買を仲介する会社に査定を依頼する。そして、その査定価格を参考にしながら、売り出し値を決めることとなる。ただし、不動産は同じものは二つとなく、物件ごとに条件もそれぞれ異なるため、売り出して2、3か月で売れそうな適正な売却価格をひねり出すのは、プロでも難しい世界である。

膨大な物件数に対して、それぞれ異なる担当者が査定をしているその中で、ヒューマンエラーが起き、不当に安い価格で売却される物件というものが、ある割合で存在する。幸運にもそのような物件を入手できれば、ROIも高くなる上、売却により出口も狙いやすい。

次に実際に私が遭遇したヒューマンエラー的な事案について、詳細を述べていきたい。

 ① 神奈川県 2DK 売却

かつての私の所有物件で、10月に空室となり繁忙期に募集をしたにもかからず、管理会社の力不足により、入居者が決まらなかった物件があった。この管理会社の管理についてはいろいろと書きたいが、それはまた別の機会にするとして、この物件を4月より売却に動いた時のことである。

この物件は賃貸募集するために、完全にリフォームとハウスクリーニングされており、また、2DKという広さから、実需向けに高値売却可能だと考えた。私は周辺相場から見て、実際に売却できそうな価格は1050万円と予想した。ただし、もしかすると自分の予想より高く売れてしまうかもしれないという期待もあり、不動産の一括査定サイトすまいValueに査定依頼を出してみた。

各社から売り出し価格の提案が出てくるのだが、850~950万円という提案が立て続けに3社から届いた。1050万円は無理なのかなぁと弱気になったところに、4社目から1200~1300万円という提案が来た。

この4社目は誰でも知っているような大手の不動産仲介会社の支店であり、実需層への営業力は高いと見込んで、専属専任媒介契約をした。提案よりやや安めの1180万円で売り出したところ、一カ月ほどで、1150万円で売れてしまった。

もし、私が一括査定を行わずに、先の3社のどれかをダイレクトに訪れていたら、850~950万円と査定され、この金額の範囲で売り出すことを勧められていただろう。通常、査定というのは、媒介契約を取りたいという思いがあるので、やや高めの数字を出してくることが多い。客を呼び込み、一旦、専属専任媒介契約を結び囲い込む。一旦は査定の金額で売りに出すが、反響が無ければ、売主に価格を下げることを説得し、徐々に価格を下げているうちに申し込みが入るという流れとなる。つまり、不動産屋としては査定の金額はやや高めで、決まればラッキーくらいの価格であり、査定金額よりさらに高い金額での売却をスタートすることは難しい。

つまり、今回の物件において、4社中3社が850~950万円の査定であったことから、私は900万円程度の売り出し値で売却をスタートしてしまう可能性は大いにあった。その値段で売り出せば、おそらく1週間以内に売れてしまい、売り出し値が安すぎたと後悔しただろう。4社中3社のプロが売却可能価格を大きく見誤るという事実から不動産価格の査定がいかに難しいかが良く表れており、市場に割安な物件が出てくる可能性が大いにあることが分かる。

 ② 埼玉県 戸建 売却

前の賃借人が夜逃げをしてしまって空室となった物件である。残置物は無いものの夜逃げするときに荷物を引きずったのか、床という床が傷だらけで、原状回復する気力が無くなってしまった。

管理していた不動産屋も、もう賃貸は無理だと思うので、売却されたらどうですかと提案してきた。私道に接道した土地だが、土地の形は長方形で接道面の長さも十分あるので、最悪、更地にして土地としては売却可能である。ただし、建物もまだ築30年程度なので、直して住む人もいるかもしれないし、土地として売るよりは中古住宅で売ったほうが、高く売れる可能性があるとのことで、まずは、そのままの状態で中古住宅として売り出して様子を見ることとした。

売り出した直後に、東京の不動産買取業者から、600万円で購入したいとの話があった。売り出し値からあまりにかけ離れた指値に、その話は却下した。しかし、その後、何組かの内見はあったものの申し込みまでは行かなかったため、私の希望の金額では売れないとお思い一旦売却をあきらめた。その後、再度賃貸に向けてリフォームを始めたが、私は物件が売れなかったのは管理していた不動産屋の営業力のせいではないのかと疑い、上記の神奈川県の物件を売ってくれた大手不動産仲介会社の別支店にこの物件の査定依頼を出してみた。

担当者はいかにも新人といった、頼りない若者であった。現地にキーボックスを設置していたので、その担当者には実際に現地に足を運んでもらって見てもらった上に、大手の不動産仲介会社らしく丁寧な査定結果を出してくれた。

査定の結果は驚きの『440万円』であった。すでに東京の買取業者が600万円での買取を表明している物件である。どうしてそのような金額になったかと査定書をよくよく調べてみると、比較事例として私の物件より駅から徒歩5分ほど遠い物件の古家付き土地が400万円で成約したとのことで、私の物件との面積比と駅から近い補正(+2%)を行って計算されたようであった。

古家付き土地の場合、土地値-解体費程度の金額で取引されるため、更地の土地値よりは安くなる。その物件の成約価格と、まだ住める築30年程度の中古住宅とを土地の面積比だけで計算した査定は実状と大幅に乖離するものとなっていた。

それに驚いたことに、その比較の成約事例は備考欄に、「本物件は、建築基準法に定める道路に接していないため原則として建物の建築・増築・改築はできません。」と書いてある。建築審査会の同意が得られれば建築等ができるという、いわくつきの物件であった。そのような物件を比較事例に用いているだけで、大きな間違いなのだが、ご丁寧にも査定書には担当者の印鑑だけでなく、その支店の責任者の印鑑まで押してあった。

もし、私が不動産取引をしたことがない人間で、大手の不動産仲介会社がこのような査定を出して来たら、自分の物件はその程度の価値しかないのかと、担当者の提案する価格で売却を出してしまうかもしれない。440万円で売りに出せば、くだんの買取業者が泣きながら喜んで、即買いするであろう。ヒューマンエラー的な安値の物件というのは、不動産業界の仕組み上、必ず出てくるものである。

③ 千葉県 戸建 購入

これは私が購入した物件である。何か良い物件はないかと不動産検索サイトのアラートを仕掛けていたところ、突然飛び込んでいた物件であった。ずいぶん安いなと思いつつ、専属専任の不動産屋に電話をしてみると、現地にキーボックスがあるので、見に行ってほしいとのこと。現地に着いたら電話をもらえば、キーボックスの番号を教えると言われた。

翌々日の午後に現地に向かった。現地に到着した瞬間にこの物件は買いだと思った。不動産屋に電話して、キーボックスの番号を教えてもらい、内見したが、買いだという気持ちは変わらなかった。その場で、不動産屋に電話して購入の意思を伝えたが、すでに買付は入っているという。私は、現金、満額で購入したいというと、電話越しではあるが、非常に好意的な雰囲気を感じた。そして、その翌日、売主が私に売りたいと言っているとの連絡が来た。

この物件、売主も不動産屋も愛知県であった。契約のために不動産屋の社長が新幹線で品川駅までやってきた。品川駅周辺のホテルのラウンジで売買契約したが、その時に、買付の状況を教えてくれた。ネットに載せて、すぐに1人から購入したいが家族と相談するといい、次の1人の投資家が指値を入れて現金購入で買付を入れた。その次に私が満額現金で買付を入れた。私が買付を入れた直後に、その前に指値を入れた投資家に、満額でしたら購入できますがどうしますかと聞いたところ、満額ならばいらないと言われたので、私が購入できるようになったそうである。

現地からの電話で好意的な感じだったのは、このためだったらしい。しかも、この投資家はその数日後、やっぱり満額でもいいから買うと電話してきたらしい。すでに購入者は決まったと、断ってくれたそうだ。

最後にその社長から、「あっという間に決まっちゃったんですけど、売り出しの値段が安過ぎましたかねぇ?」と聞かれたが、安過ぎですとも言えず、「建物は古いし、土地値としては適正ではないでしょうか。」とお茶を濁しておいた。遠方の売主や不動産屋の場合、現地の適正な売り出し値を導くのが難しく、このような割安物件が出てくる場合がある。

 

このように不動産は1物件1物件毎に不動産の担当者が売り出し値を査定する。そのため、ある割合でヒューマンエラー的な安値の物件が出てくることは避けられない。そのような安値の物件をスピード勝負で入手することが、不動産投資のリスクを下げる重要な要素となる。安く購入することで、利回りやROIが上がることはもちろん、以前の記事物件購入の失敗と逆転を生む売却で紹介したような売却による益出しのカードも手に入れることができる。属性さえよければ誰でも購入できる新築ワンルーム、新築アパートに比べて、苦労してでも割安物件を購入することはリスクの低い不動産投資をするためには重要な要素となる。

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