強制執行したときの話~最終回~

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家賃保証会社の担当者との待ち合わせ場所に向かう

家賃保証会社との約束の日、私は午前中の業務が終わると、会社を抜け出し、最寄り駅まで急いで歩いて行った。待ち合わせ場所のドトールコーヒーに向かうためである。

ちなみに、家賃保証会社の担当者とは、電話で何回か話したことがあるが、直接、会ったことは無い。よって、ドトールコーヒーに着いたとしても、誰が担当者なのかは分からない状況であった。

10分くらい歩いて、駅前のドトールコーヒーに到着すると、ひどい混雑である。どこに座っているのかと見渡すと、すぐに奥の方の席にいるスーツ姿の男性2名が立ち上がっていた。おそらくこの人たちだろう。

一人の中年の男性は、見るからに堅気とは思えない風貌であり、もう一人は若者で茶髪のヤンキー上がりという感じであった。

特に中年の男性の方は電話で何回かやり取りをしているものの、想像を遥かに超えた風貌であった。家賃を回収されている方というのは、それなりの威圧感が無いと務まらないのかもしれない。

家賃保証会社の担当者との初対面

私が彼らが座っている非常に狭い4人掛けの席に近づくと、中年の男性の方が、「弱小大家父さんさんですね。アイスコーヒーでいいですか?」と、聞いてきたので、それでいいですと言うと、若者がアイスコーヒーを買って戻ってきてくれた。

私は、アイスコーヒーにガムシロップを大量に入れた。これは、コーヒーが苦手なのではなく、もしかすると、昼食を食べる時間が無いかもしれないと思ったからである。

私は、強制執行は避けられませんでしたかと聞くと、中年の担当者は、督促に行くと玄関に出てくるのだが、まったく約束を守らない、約束を守っていないにも関わらず、次に督促に行くと、普通に玄関に出てくる、とにかくこんなに手ごわい女はめったにいない、相当図太い神経の持ち主だなどと愚痴を言った後、もう強制執行しか手が無いという結論になりましたとのことであった。

まあ、普通、これだけ怖い風貌の人が督促に行けば、ビビッてしまうと思うのだが、すごい女性だなとある意味、感心しながら聞いていた。

強制執行の手続きに入る

話は引き続き、強制執行に必要な書類の話になった。中年の担当者がひたすら説明をし、若者は横で聞いているだけであった。私が準備すべき書類の中には、物件所在地の役所に行かないと取れないものもあった。私はその週はとにかく忙しく、平日に休むことは難しかった。

「今週中に準備できますか?次の月曜日の同じ時間に、ここで待ち合わせでよろしいですか?」と聞かれたので、「今週は忙しくて、平日に役所に行くことは無理なんですよ。」というと、中年の担当者は「ご協力いただけないのなら、こちらとしても、この件、これ以上ご協力できませんが、それでいいですか?」とそれまでの和やかな雰囲気から一転、急に語気を強めて、鬼のような形相で睨んできた。

私は、心底からビビり、「は、はいっ!すみません!今週中に必ず準備します!」と宣言してしまった。

これでは、周りから見れば、脅迫されて高いものを買わされている、弱気なオッサンにしか見えなかったと思われる。

しかし、入居者の女性は、この担当者と対峙しても、臆面することなく、滞納を続けていたと思うと、どんな神経の持ち主だったのか、さらに、過去にどんな悪行があったのかと改めて考えさせられた。

説明が終わり、担当者たちと別れ、慌てて会社に戻ったが、昼食を取る時間はまったく残されていなかった。

ついに強制執行が実行される

それから、半年くらいして、強制執行は行われた。入居期間は13カ月とスピード退去であった。事前に担当者から、すでに夜逃げしていて、もぬけの殻のようだが、手続き上、強制執行は行わないといけないので、実行しますと連絡が来ていた。

恐れていた部屋の中だが、強制執行が行われてから数日後、賃貸管理をしていた地元の不動産屋と一緒に部屋に入ってみたところ、入居期間が短かったためか、クロスを張り替える必要もないくらいきれいであった。しかし、なぜか一か所、建具が壊れているところがあったが、必要な修理はそれくらいであった。建具の修理とハウスクリーニングだけで、次の募集を掛けることができ、すぐに次の入居者は決まった。

敷金があったので、建具の修理とハウスクリーニングはそれで賄えた。よって、私がこの件で、特に手出しをすることは無かった。

今回の場合は、入居者の選定時点で失敗をした。火のない所に煙は立たぬではないが、素性が怪しい場合は、その後、問題になることが多い。大家にとって入居者の選定は、その後の健全な賃貸経営のための重要な仕事であることを、改めて認識させてくれた事件であった。(完)

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