競売物件の残代金納付後の話~最終回~

不動産投資

放心状態で駅前へ

マンションを飛び出したのち、私は放心状態でふらふらと駅前に向かって歩いていた。特にあてがあるわけではなかったが、当初の予定は駅前で入居者に持っていく菓子折りを買うことであった。もう一度あの部屋を訪れる気力は無かったが、いったいどうしたらいいのかと悩みながらあてもなく。駅前に向かって歩いていった。

駅の近くまで来たところで、1軒の不動産屋が見えた。築50年超と思われる木造平屋建てで、かなり古くからあるような、「町の不動産屋」である。

私はふと、藤山勇司氏の著書サラリーマンでも「大家さん」になれる〔藤山流〕成功の奥義 (実日ビジネス)で、競売物件取得のサポートや任意売却物件の紹介など、「町の不動産屋」は不動産賃貸業を拡大させるうえで、強力なパートナーであったとの記述を思い出した。

その本には「還暦を過ぎ、自分の子供もすでに独立して余計な欲が失せた、いわゆる町の不動産屋さん」と信頼関係を築くのが良いと書いてあった気がする。この不動産屋のたたずまいから、そのような不動産屋である可能性が高いと感じた。

そこで、私は、藁にも縋る思いで、この不動産屋に入ってみることにした。

町の不動産屋に初めて入店する

町の不動産屋に来るのは初めてであった。それまで、賃貸の仲介をお願いしていたのは、全国チェーンの不動産店か、その地域ではいくつかチェーン店がある不動産店であり、このような単独店に来るのは初めてであった。

その不動産屋に入ると、明らかに還暦を過ぎている男性と、その奥さんと見られる女性の二人がいた。ただし、男性の方は愛想がひどく悪いが、とりあえず。それでもソファーに掛けることを勧めてくれ、奥さんはお茶を入れてきてくれた。

私は、この愛想の悪い不動産屋の親父に競売の手続き関係の資料を見せ、私が落札して所有権を得たことをアピールしつつ、現入居者と新たな賃貸契約をしたいので、手数料はお支払するのでご協力していただけないかとお願いした。

すると、不動産屋の親父はあっさり、「わかりました。」と言って、賃貸借契約書を持ってきた。入居者に関することは氏名すら聞いてこない。賃貸借契約書に住所と名前と捺印をすればOKとのこと。

私は、この淡白な対応に、「あの~、もしかして、前のオーナーの時も、こちらで管理されていたのですか?」と聞くと、「そうですよ。」と何を今さらという感じで答えていた。

駅前とは言え、偶然にも前オーナーが管理を依頼していた不動産屋に飛び込んだのであった。

辛うじて問題解決

不動産屋の親父が「手数料は家賃の一ヶ月分でいいですか?」と聞いてきたので、オーナーの変更だけなのに、ちょっと高くねと思いながら、現入居者からは手数料を徴収しないという条件でOKした。

また、前オーナーは家賃の5%で管理も任されていたが、継続でいいかと聞かれた。現在は入居者からこの不動産屋の口座に家賃を振り込み、そして、5%の管理費を差し引き、オーナーの口座に振り込んでいるという。

継続すれば、入居者から見れば、オーナーが変わっただけで、家賃の振込先や故障時の連絡先など、特に変わったことが無いほうが安心だろうと思い、管理継続でOKした。

こうして、ピンチから一転、家賃の1ヶ月分の手数料で、現入居者との新たな賃貸借契約を結ぶという問題を解決することができた。最初の競売物件の残代金納付後の話 にも書いたが、落札者が見ることのできる物件明細書を見せてもらえば、このような遠回りをすることもなかった。

しかし、これで、入札、落札、買受、そして、買受後の必要な手続きのすべてを自力で解決した。私は難しいことに直面したときには、「とにかく動けば何とかなる」と思って行動するのだが、この競売物件の取得はその行動方針が正しいことと思える成功体験の一つであった。

この物件の収支については、以前の記事私の小規模不動産投資における物件購入の条件と実例 で詳細を記載したので、興味がある方は参照してほしい。私の小規模不動産投資における物件購入の条件と実例 にも書いていたが、この後は、入居者、不動産屋の親父、私の三者の間で、さまざまなドラマがあるのだが、その話は、また、いずれ書きたいと思う。(完)

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