前回総額9万円で検2年付の中古車を手に入れた話 その2 で、法定費用込みの総額10万円以内での中古車取得に向けて、いよいよ行動を開始したというところまで書いたが、その続きとなる。
解体屋に電話を掛け続ける
タウンページ、つまり電話帳を見ながら、家から近い順に解体屋に電話を掛け、「まだ動く軽自動車ありますか?」と聞き続けた。
電話口で邪険にされることはなかったが、軽自動車はなかなか見つからない。
そして、2つ隣の市で、さらに山の中にあり、交通の便の悪いところの解体屋に電話を掛けたときだった。
「あの~。まだ乗れそうな軽自動車ありますか?」と聞いてみたところ。あっさり、「ありますよ。」と言われた。
なんの修飾語も付けずに、「ある。」と言っている。それまでの解体屋で無いと言われ続けた私は、この断定ぶりに少々違和感を覚えつつ、「今から見に行きます。」と言って、家を出た。
解体屋に到着する
電車、バスと乗り継ぎ、さらにバス停からかなり山の中に歩き、ようやく目的の解体屋に到着した。
車同士が、もうバンパーが当たっちゃってるんじゃないの?というくらい、ぴったり敷き詰められ、また、解体された部品が山のように積み上げられている、ザ・解体屋と言った風情だった。
なんかボロボロの車しか見当たらないんだけど、本当に大丈夫なのかよと思いつつ、事務所というか、掘っ立て小屋のようなところを訪ねた。
「あの~、さきほどお電話しました、まだ乗れる軽自動車があると聞いて、来たものですが。」と、その掘っ立て小屋の中にいたお爺さんに尋ねると、「ああ、さっきのね。」と言って、車の鍵の束を取り出した。
爺さんは車がいっぱい並んでいる中を進んでいく。そして、ある小型車の前で止まり、「この後ろにあるんだよ。」と言った。
いよいよ目的の車とご対面
爺さんは、まず、その小型車を前進させることにした。前後だけでなく、左右もギリギリまで詰めているので、隣の車にドアを思い切り当てながら、やっとの思いで、車の中に乗り込むと、エンジンを掛けて、前進した。
そして、お目当ての軽自動車が姿を現したのだが、第一印象は、「ボロッ!本当に、まだ乗れんのかよ。」というものだった。所々、錆が浮いている。しかも、なぜかフェンダーミラーであった。
そして、爺さんは続いて、お目当ての軽自動車のドアを、隣の車に思い切り当てている状態で、ようやく車の中に乗り込み、エンジンを掛けて前進させた。
そして、私の前まで車を前進させると、「これ。」と言った。
私は「ちょっと、座ってもいいですか?」と聞いて、座って、軽くエンジンをふかしてみるが、特に異音のようなものは感じない。
確かに、この爺さんの言う通り、まだ乗れるのかもしれない。ちなみに総走行距離は8万2千キロ。
ワイパーやウィンカーなども正常に動く。一つだけ、左のヘッドライトだけは点灯しなかった。まあ、これはバルブを交換すれば、なんとかなるでしょうと考えた。
また、後部ドアがあるタイプで、これなら後ろに人も乗せられるし、便利そうだなとも思った。
そこで、「これ、欲しいので譲ってくれますか?」と聞くと、「乗るの?」と聞かれたので、「はい。自分でナンバーを取って乗ります。」と言うと、「じゃあ、5万円。」と言われた。
予算通りの金額だったので、指値交渉もせず、満額OKを出した。
乗るなら必要な書類を取り寄せるので、2週間程度待てとのことだった。書類が来たら連絡するからいって、ただの紙切れに電話番号と名前を書かされ、私は、解体屋を後にしたのだった。(続く)
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