公的年金の回収期間について 最終回

セミリタイア生活

前回公的年金の回収期間について にて、「ねんきん定期便」による私の年金の受給見込み年額は、60歳まで納めるであろう保険料の合計の約1/10だったという話を書いた。

しかし、その計算は間違いのような気がする。


被保険者負担額

「ねんきん定期便」には、下のように、厚生年金保険料と隣に(被保険者負担額)という文言がある。

厚生年金の保険料の支払いについては、標準報酬月額と標準賞与額に18.3%を掛けた保険料を、企業(事業主)と従業員(被保険者)が、それぞれ半額ずつを負担する。

事業主負担分というと一見、企業が保険料の半分を負担してくれているように感じるが、本来、私が給料としてもらうべき金額の一部を、事業主負担分として、年金機構に納めていたけに過ぎない

事業主負担分が無ければ、一旦、事業主負担分の部分も私に給料として支払われて、そこから18.3%の保険料を天引きされるだろう。

そうなれば、企業が私に支払うべき人件費は変わらないし、私自身は、額面の給料は増えるものの手取り額は変わらない。政府が取る保険料も変わらないので、企業の支払い分、および、政府、私の取り分は変わらないことになる。

つまり、事業主負担分という項目名のせいで、いかにも企業が支払っていますという雰囲気になるが、実質的には、自分が受け取っていなかった給料がそのまま年金の事業主負担分として支払われたに過ぎず、私が支払ったのと変わりはない。



私の公的年金の回収期間を再計算する

上記のように考えれば、厚生年金保険料の実質的な総納付額は、被保険者負担額の2倍になるはずである。

その見えない給料から支払われた保険料も含めるために、「ねんきん定期便」に書かれている被保険者負担額を2倍にして、再び、

(総納付額)÷(年金見込み年額)=(回収年)

を計算してみたところ。なんと回収年は約18年となった。

これでは、65歳から受給して、83歳まで受給しないと、見えない給料から支払われた保険料まで回収できないことになる。男性の平均寿命81歳を完璧に超えた。

私の場合は、厚生年金の加入期間が22年だが、それより長い人や給料が良い人は、更に回収までの時間が掛かることになる。

また、今後、受給年齢の引き上げや受給額の縮小などがあれば、さらに、回収できる可能性は低くなる。

これでは、我々世代の厚生年金の加入者は、現在、受給している高齢者世代を支えているだけで、我々世代自身は支払った保険料を回収できないまま終わる人が、ほとんどになってしまうのではないか。


国民年金はお得な運用商品

それに対して、国民年金は、前回、公的年金の回収期間について で書いたように、ほぼ確実に約10年で回収できる、お得な年金であると思う。

厚生年金も、受給者負担額という見せ方で、一見、国民年金と同様に約10年、受給きれば回収できるという雰囲気を出しているが、実質的に見えない給料も含めて上記のように見積もると、払い損になる確率が高いことが分かった。

老後2000万円問題が世間を騒がせたとき、2000万円不足するのは厚生年金受給世帯での見積りで、国民年金しかもらえない自営業者やフリーランスはいったいどうなるのかという話はあったが、国民年金だけ掛けて、それ以外は、自分で投資などで運用して私的年金を作ったほうが、厚生年金よりは良い運用ができる可能性が高いと思う。



まあ、厚生年金は、今、保険料を支払っても、その保険料は今の受給している高齢者世代の年金として使われてしまうだけなので、我々が受給できるのは、こんなものかなという、あきらめの心境にもなる。

こうなると、厚生年金は、掛け金を長期間運用することで、老後、掛け金以上の収入を得る運用商品と言うより、平均寿命を大きく超えて生きてしまったときの保険と割り切った方が良さそうである。

会社員時代はなにも考えず、盲目的に厚生年金を払い続けていたが、今、暇に飽かせて、こんな計算をしていると、なぜセミリタイアしたのか~生き方ミニマリスト~ で書いたように最小限の努力で生きたい私は、ますます会社員には戻って厚生年金は払いたくない、退職して良かったと思ってしまうのである。(完)

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