小規模小借金の不動産投資でFIRE・セミリタイアする方法の概要

2020年6月13日土曜日

不動産投資


  小心者が資産を増やすのに最適な小規模不動産投資

私はサラリーマン時代に13年間不動産投資を行い、2017年までに区分所有9室と一戸建4戸を取得した。そして、その翌年の2018年に大学卒業後22年間務めた会社を退職し、セミリタイア生活に入った。妻は専業主婦、子供は一人の三人家族である。

書籍やブログでよく見るセミリタイアした不動産投資家は、投資開始から数年で、数億円の借金をして1棟ものを数棟取得しているという資産規模であることが多く、彼らと比べると、私の資産規模は時間を掛けている割には圧倒的に小さい。

彼らのように早く会社を辞めてセミリタイアしたいという不動産投資家は、リスクを負って規模を追求していくことになるのだろう。ただし、そのためのリスクは次のものが挙げられる。

① 頭金をほとんど入れない投資のため借入金の返済比率が大きく、何か問題があると、家賃収入がローン返済を下回って逆ザヤになって破綻してしまう。逆ザヤの要因としては、家賃下落、金利の上昇、経年劣化による修繕費に増大、減価償却の終了による税金・社会保険料の増大、天変地異による大規模な破損、周辺環境の変化および物件の老朽化による空室増、自殺・殺人・孤独死などの心理的瑕疵の発生などでリスクはいろいろとある。

② 数千万円単位の借金を重ねていくことによる心理的恐怖を乗り越えられるか。さらに家族の理解もなかなか得られない。

③ ローンが巨額なため連帯保証人が必要。通常、配偶者を拝み倒して頼むことになるだろうが、配偶者は不動産賃貸管理については、まったくのド素人。それでも自分が動けなくなった時にはド素人だが連帯保証人の配偶者が切り盛りしないといけない。いきなりド素人の配偶者が数十室の管理をできるかという問題がある。


一般的な神経の持ち主なら、上記のリスクと守るべき家族をテンピンにかけ、不動産投資は危険と判断するのであろう。そのリスクを受け入れて挑戦した不動産投資家の一部が大成功し、セミリタイアして、ブログやセミナー、そして書籍などで不動産投資の素晴らしさをアピールしていると思われる。

そういう方に踊らされて、不動産投資はもうかると妄信し、たいした勉強もせず、家族の反対も押し切り、業者の言いなりに物件を購入し、失敗してしまう事例もある。

私自身も上記のリスクにおびえる小心者であった。もともと不動産投資を始めた当初は将来セミリタイアをしたいという野望も無く、ただ単にお金を銀行に置いても全く増えないので、少しでも運用したいという気持ちで小さくスタートした。

運用を続けるうちに、もしかしたら、セミリタイアできるかもしれないという思いが出てきて、はたして私の方法でもセミリタイアが本当に可能であるか、検証するつもりで会社を退職した。

もし、私と同じように上記のリスクを感じ、不動産投資を行えないという方がいれば、私の方法を参考にしてほしい。もしかするとセミリタイアできるかもしれない。私自身、2018年に会社を辞め、セミリタイア生活に突入した。

だたし、セミリタイアを成功したかどうかは、今後、私が生きている間にお金が尽きないかどうかに掛かっている。現時点でセミリタイアが成功したか否かを検証した記事小規模不動産投資のFIRE・セミリタイアは成功か失敗か検証する を載せたので、興味がある方は見てほしい。

小規模不動産投資でセミリタイアを目指す方法

不動産投資は小規模でも銀行預金と比べて格段に効率よくお金を増やすことが可能である。うまく行けばセミリタイアも可能かもしれない。私の不動産投資に対する考え方をまとめてみる。

・ROI(Return On Investment)>15%/年が狙える投資を繰り返す
・自己資金は1000万円程度
・15年程度運用する
・連帯保証人が必要になるような巨額な借金はしない。

私自身、上記を意識して不動産投資を行い、会社を辞めることができた。不動産投資を開始した時には上記の考えを固めて始めたわけではなく、不動産投資を開始したときの自己資金は200万円ほどであった。

その後、不動産投資を進めるうちに、実際の購入した物件を分析しつつ上記戦略が自分に最も適していると考え、この方針で不動産投資を推し進めた。最終的には、この不動産投資から得られるキャッシュフローで生活可能と判断し、退職し、セミリタイア生活に突入した。

ROIを意識した私の不動産投資法

私自身、不動産投資を始めるまで、ROI(Return On Investment)などという言葉は知らなかった。十数年前の当時、手元に200万円ほどの余裕資金ができたときに、銀行に預けるより効率よく運用することはできないか?と思い、この資金を頭金に賃貸不動産を購入してみようかと考えついた。

そこで書店でなにか参考になる本はないかと探していたときに、家賃収入が月収を超える! (下図)という本がたまたま目についた。



当時、書店では不動産投資のコーナーは本の数も今よりずっと少なかったが、その中で『利回り20%超』というサブタイトルは非常にインパクトがあり、初心者の私は思わず購入してしまった。

その本の中で、束田光陽氏がROIを飛行機と滑走路を使って分かりやすく説明されていた。投資指標のROIは投資利益率などと呼ぶのだそうだが、この本では不動産投資におけるROIは『投資した自己資金が1年当たり何パーセント返って来るか』を指標としている。つまり、一般的な投資指標でいうROIとは少し異なるが、

不動産投資のROI = (1年当たりのキャッシュフォロー)÷(購入時の自己資金)×100

と定義している。この考えはとても分かりやすい。 このROIの考えをもとに、さらに次ようなモデルを考えてみる。


仮に自己資金を1000万円あるとして、それをROI=15%/年の投資をし、そのCF(Cash Flow:キャッシュフロー)を使わず次の投資に回したとすると、新たな自己資金を入れずとも複利の力で15年で1年当たりのCFは1000万円を超える。

年数 元手(万円) CF(万円/年)
1   1000    150
2   1150    173
3   1323    198
4   1521    228
5   1749    262
6   2011    302
7   2313    347
8   2660    399
9   3059    459
10   3518    528
11   4046    607
12   4652    698
13   5350    803
14   6153    923
15   7076    1061

この投資法では複利の力を借りるため毎年のCFをこまめに再投資することが大切となる。そのため、1棟ものはこの投資には不向きで、区分所有や築古一戸建が向いていると言える。やりようによっては借金無しでも、元手1000万円で年1000万円のCFを得ることも不可能ではない。また、元手を1000万円貯める前から不動産投資をスタートすることもできる。

私自身、200万円程度の自己資金から不動産投資を始め、その後、この方法に気付き、ROI>15%/年を意識しつつ繰り返し購入することで、セミリタイア生活に入ることができた。私が、ROI>15%/年を意識して購入した物件の例は、次回以降の記事私の小規模不動産投資における物件購入の条件と実例 物件購入の失敗と逆転を生む売却 にて紹介する。

短期間でセミリタイアするならハイレバレッジ投資法。しかし…

十数年なんてかったるい、そんなに時間を掛けたくないという場合は、複利の力を借りず、ハイレバレッジな投資で達成することになるだろう。仮に同等のCFを得ようとすると、表面利回り10%で物件価格2億2千万円の中古1棟ものを自己資金1000万円投入すれば、

自己資金  1000万円
物件価格  22000万円
諸費用   1760万円(物件価格の8%とする)
借入金   22760万円
家賃収入  2200万円/年(表面利回り10%)
ローン返済 1079万円/年(元利均等 30年 2.5%)
固定資産税 110万円/年(物件価格の0.5%とする)

Cash Flow  1011万円/年(自主管理で所有期間中に大きな修繕無い前提)

と、一発で年間CF1000万円を超えることは可能である。ただし、先の投資法より多くのデメリットがある投資方法だと私は考える。

・借金が高額なため、連帯保証人が必要。家族の理解も得られない可能性あり。
・ハイレバレッジの上、返済期間も長いので、返済>収入-費用の逆ザヤになってしまうリスクが高い
・失敗した時のダメージが大きい。リカバリも難しく、自己破産もあり得る。

不動産投資というが実際は不動産賃貸経営

不動産投資の業者が開催する無料セミナーに参加してみると『煩わしい管理はすべて弊社が行います。オーナー様のお仕事は、毎月の通帳を確認していただくだけです。』などと謳っていることがある。

そういう場合、内容を見てみると、上記の返済>収入-費用の逆ザヤがすぐに発生することは明らかなのだが、不動産投資の初心者には、すべてお任せできることで安全確実で、かつ忙しいサラリーマンでもできると考え、業者の言いなりに手を出してしまう人もいる。

だいたい、『不動産投資』という言葉そのものが世間に間違ったイメージを与えている。『投資』という言葉のせいで、お金だけを投資すれば、そこそこのリターンが返って来るという誤解を生む。

この業界は『オーナーはお金持ちだから、少々損しても(搾取しても)問題ない。』という思想が蔓延している。その中で、可能か限り安い物件を取得し、リフォーム費用を極限まで下げ、家賃を可能な限り高く設定して賃貸付けし、管理維持に関する費用をできるだけ抑えて、初めてリターンが発生するというのが実情であり、『投資』ではなく、まさに『経営』である。

新築ワンルームや新築アパートを購入して、失敗している人が多いのは、この認識が無いからだ。この経営力は一朝一夕で身に着くものではなく、数々の失敗を経験としながら、学んでいくものである。

そのため、私はハイレバレッジを使った短期間のセミリタイアはお勧めしない。複利の力を使う小規模不動産投資なら、仮に失敗しても致命傷にはならず、その失敗から学ぶことで、『不動産賃貸経営』する力をアップさせることができる。どうしても不動産投資が向いていないと感じたら、撤退することも容易だ。

また、先ほど、表で示したように、自己資金1000万円ROI=15%/年の投資を15年継続した場合、当初の自己資金1000万円に加えて累積のCFは6000万円を超える。

つまり、トータル7000万円以上の現金を投入して物件を購入することになるので、上記の一発例よりは、はるかに逆ザヤになることによる破綻はしにくい。その点でも、この方法はお勧めと言える。


どうしても規模を大きくしていきたいというのであれば、小規模不動産投資で十分に実績を出した後、先に進めばよい。

よく、『区分でローンを組んでいると与信を毀損して、大きなローンを借りることができなくなるので、1棟ものが良い。』という話を聞くが、どうしても1棟ものがやりたいのであれば、その時にはローンが残っている区分を売却すればよい。不動産賃貸経営力がついてくれば、購入時より高く売却することも不可能ではない。

次回以降、物件の選定条件、購入事例、修繕管理方法、さまざまな失敗事例など、これまでの私の経験について、記載していきたいと考えている。特に失敗から学ぶことは多く、私の失敗事例が不動産投資を始めてみようという方の参考になれば、幸いである。

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自己紹介


弱小大家父さん

借入総額4500万円で区分所有9室、一戸建て4戸を取得し、2018年に退職しセミリタイア生活を開始。専業主婦の妻と子供一人の三人家族。投資エリアは、首都圏1都3県と大阪府。


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弱小大家父さん@FIRE/セミリタイア生活


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