賃貸管理会社の種類と注意すべきタイプ
ここで話すのはマンションの管理会社ではなく、賃貸を仲介し、集金、更新、クレーム対応と退去立ち合いをしてくれる管理会社のことである。良い会社もあるが、質が悪いものもあり、中には違約金を払ってでも解約すべき管理会社もある。
物件をオーナーチェンジで購入する場合、賃貸管理会社を変更することは不可能ではないが、入居者に不安を与えることになりかねない。私の場合は、購入時の入居者が退去したときに、管理会社を切り替えることが多い。
賃貸管理をする会社は以下の種類がある。
② 全国チェーンの賃貸仲介店
③ 地域限定チェーンの賃貸仲介店
④ 地元工務店が多角経営で行っている賃貸仲介店
⑤ いわゆる街の不動産屋
⑥ ディベロッパーとは無関係で賃貸管理を専門に行う会社
どのタイプの賃貸管理会社でも、良い会社とダメな会社があるので、オーナーチェンジの際には注意が必要だが、私の経験上、①マンションを新築分譲した会社の関連会社と④地元工務店が多角経営で行っている賃貸仲介店は特に要注意である。
1戸目に購入したワンルームマンションの場合
私が不動産投資物件を初めて購入したのは、東京23区内城南地区のバブル期築の中古ワンルームマンションであった。相場からするとかなり割安で、利回りもよく、無事にローンも引けたので、良い物件を購入できたと思っていた。この物件が、まさに上記の①マンションを新築分譲したディベロッパーの関連会社が賃貸管理をしているオーナーチェンジ物件であった。
この物件、売買を仲介した不動産会社もディベロッパーの関連会社であった(賃貸管理会社とは別会社)。そこの店長が、違約金を払っても賃貸管理契約を切ったほうがと良いのではとしきりに提案してきた。違約金は賃料の2か月分である。
私は、なぜ同じグループ会社なのに、解約を勧めるのかいぶかしく思っていながらも、賃借人から見たら、オーナーが変わる上に管理会社が変わることは不安があるだろうと思い、賃貸管理を継続することにした。
賃貸管理料は家賃の10%と高めであったが、いろいろと保証があるのだろうと、甘く考えていて、かえって初心者の自分にはいろいろと保証されているほうが良いだろうと考えていた。
しかし、実際に購入してからよく見てみると、10%もの管理費を取って対応してくれるのは、集金対応、督促対応、クレーム対応、退去立ち合いだけであった。
当時は10%も管理費を支払えばもちろん、安いところなら5%の管理費でも、滞納保証や裁判費用などは当然含まれているのが相場であったが、この会社はただ集金して管理費を差し引き、オーナーに振り込むという作業だけで、10%の管理費を取っていたことになる。バブル期の管理をそのまま継続しているような会社であった。
実態が分かってからは早く切りたかったが、後の祭りである。その5年後、購入時の入居者が退去すると、この賃貸管理会社から連絡があった。私はすぐさま賃貸管理契約を解約すると宣言した。解約料に賃料の2か月分が掛かりますよと言われたが、払いますので解約させてくださいと伝えた。
入居者の退去後、解約金の請求書が送られてきたので、即刻振り込んだ。最後に、退去の精算確認と鍵の受け渡しが現地で行われた。立ち会った担当者はやる気が無い感じで、入居者さんからはハウスクリーニング代しか取れませんと、清算金12,800円と書かれた確認書を提出してきた。
私がそれにサインすると、長年の入居でボロボロになった部屋の鍵を引き渡してくれた。本来なら入居者が壊した部分もあると思うが、どのみち管理を解約されるため、全くやる気が無いようであった。その担当者は最後に、解約金の振込を確認しました、ありがとうございましたと言って、その場を去っていった。
敷金は管理会社預かりだったので、後日、私の口座に12,800円が振り込まれて、この管理会社からは完全に縁が切れた。
売主はバブル期にキャピタルゲイン狙いで約3000万円にて購入し、売るに売れずそのまま十数年放置していた物件であった。バブル期のキャピタルゲイン狙いで賃貸管理はどうでも良いという投資物件が、そのまま化石のように生き残っていたような物件であった。
4戸目に購入したファミリータイプ区分マンションのケース
以前の記事物件購入の失敗と逆転を生む売却 で紹介した城北エリアのファミリータイプの物件である。
オーナーチェンジであったが、賃貸管理をしているのは、地元の工務店であり、どうやら、本業とは別に不動産賃貸の仲介業を行っているようであった。月々の管理費は無く、更新料の半分+消費税のみの支払いで、クレーム対応はしてくれるようであった。
賃借人がオーナーの変更で不安を感じないように、その会社に賃貸管理を継続してもらうこととした。その後は特に問題は無く、更新月が近づくと、その管理会社からドスの効いた声で電話が掛かってくるので、賃料変化なくそのまま更新お願いしますと言っていればことは足りていた。
4年半後、その管理会社からドスの効いた声で、入居者が退去するとの連絡があった。その場で退去立ち合いをお願いして、そのまま放っておいた。当時はサラリーマンで日々忙しく、ほかの物件も含めて管理会社に丸投げをすることが多かった。
退去日から1週間ほどしたところで、管理会社から退去後リフォームの見積書の封書が届いた。
開けてみて唖然とした。原状回復費の見積金額は約50万円でハウスクリーニング代は別なのか記載無し。しかも、入居者の負担分が記載されていない。恐る恐る管理会社に電話してみたところ、ドスの効いた声で次のような説明がされた。
入居期間が長かったので部屋がかなり傷んでいる、ファミリータイプの原状回復工事は通常それくらいは掛かる、入居者もある程度自分の非を認めているものの、敷金16万6千円は放棄するがそれ以上は払わないと言っているとのことであった。
私はとっさに部屋がどれだけ傷んでいるか見たいので、鍵を一本送ってほしいと伝えると、後日、鍵が普通郵便で送られてきた。
早速、会社の休みである土曜日に問題の部屋を見に行った。鍵を開けて購入後初めて部屋に入るが、想像していたよりは傷んでいなかった。ただし、トイレの中はヤニだらけで、吐きそうな悪臭を放っていた。入居者はトイレの中でタバコをふかし続けてきたようで、ここに負い目があったのではないかと想像された。
クロス張替えれば何とかなるでしょと思い、まずは、クロスを張替えて様子を見ることにした。
そこで、空室専門のクロス張替え業者に洋室、廊下の壁、洗面所の床、トイレ、DKの壁のクロス張替えを発注した。また、和室の壁は比較的きれいだったので、畳の業者に畳の表替えとふすまの張替えのみ発注。
完成後、ハウスクリーニングを安いところで発注すると、辛うじて敷金16万6千円でリフォーム代総額が収まった。
無事に原状回復でき、ほっとしたと同時に、ハウスクリーニング別で50万円という見積はいったい何だったんだという思いであった。
かれこれ部屋を見てから2か月ほど掛かったがようやく部屋が回復したので、賃貸募集を再開したく、くだんの管理会社に電話をした。
部屋を回復したので賃貸募集を開始してほしいと伝えると、ドスの効いた声で烈火のごとく怒り始めた。何カ月も連絡もしないで勝手に何やっているんだ、おたくとはもう付き合いたくないとのだった。
確かに、これは失敗であった。相手は工務店であるので、ここが稼ぎ時なのだろう。無知な大家からがっぽり稼ぐ、その大家を囲っておくために不動産業を行っているのではと疑いたくなる。
今なら、この見積が出た段階で、『これだけ掛かるのなら、売却も含めて考えたいので、一旦、鍵を全部送ってください。入居者には敷金の償却でOKとお伝えてください。また、賃貸をするというときには、お願いするかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。』と言って、その場で賃貸管理を切ってしまうが、その時はまだ経験が浅く、そこまでは考え付かなかった。
相手の怒りは収まらなかったが、平身低頭謝りなんとか残りの鍵だけは送ってもらうことを了承してもらった。後日、普通郵便で鍵が数本、送られてきて、次の賃貸募集を依頼する不動産屋を探し始めた。
暴利を貪る賃貸管理会社は切り替えるべきだが
今回、私が縁を切った賃貸管理会社の話を記したが、決して、賃貸管理会社はぼったくりだ、すべて自主管理せよと言っている訳ではない。
特にサラリーマンの場合、日々の仕事と休日の家族サービスで、大家業に掛けれる時間は限られている。そんな中、賃貸管理会社は忙しい自分の代わりに、動いてくれる貴重なパートナーだ。
よって、リフォーム代も市場価格よりは少々割高になるが(業者から紹介料のバックマージンがあると思われる)、自分の貴重な時間が削られることと比較すれば依頼する価値は十分にある。
ただ、大家の無知に付け込んで、管理費10%も取っていながら集金代行のみであり、その管理契約を解除するには家賃2か月分の違約金が必要であったり、市場価格の3倍以上のリフォーム代を吹っかけてくるような賃貸管理会社は切るべきだ。
私自身も賃貸管理を依頼している物件もある。中には、Amazonで部品を買って交換しておきましたと言って、毎月の管理費プラスAmazonの商品代だけしか請求しない良心的な街の不動産屋もある。要は不動産賃貸管理会社はピンキリであるので、適度に取捨選択すべきと言いたい。
そうは言っても、今は退職して時間ができたので、毎月の管理費と少々割高なリフォーム代が惜しくて、私の所有物件の中の自主管理比率は上がりつつある。
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