FIREについて考える

2021年9月23日木曜日

不動産投資

 


FIREの認知度が高くなってきている

最近は世の中すっかりFIREブームである。

先日、高校時代の友人と会う機会があった。その時に、その友人から「君は、今、流行りのFIRE達成だね。」と言われた。

その友人には、私が2018年に退職した時点で、今後は家賃収入で生きていくということは伝えていたが、FIREという言葉が出たのは先日が初めてである。

その友人自身は仕事を辞めるという様子は全く無く、退職する気が無い人たちにもFIREという言葉が浸透しつつあるのを感じた。

そういえば、以前は「不動産投資でセミリタイア」と謳っていた有名ブロガーたちも、「不動産投資でFIRE」と言うようになってきた。

私のブログのタイトルも、「小規模小借金の不動産投資でセミリタイアした私の方法」から、「小規模小借金の不動産投資でFIREした私の方法」に変更した方が、今どき感があってよいのだろうか?※

そもそもFIREってどういう状態なのか?などと最近、考えている。


※2022-7-18追記 ブログのタイトルだが、現在は間を取って、「小規模小借金の不動産投資でFIRE・セミリタイアした私の方法」とした。

FIREの定義を調べてみた

そのような疑問を感じ、そもそもFIREの定義って何?と思い、いろいろと調べてみたが、はっきりした定義は無いようである。

FIREはFinancial Independence, Retire Earlyの略で、直訳すれば、「経済的自立により早期に引退する」と言うことになるだろう。

FIREのはっきりした定義は無いものの、年間支出の25倍の資産を築き、それを年4%で運用することがFIREの王道であるらしい。「4%ルール」などという言葉をよく聞く。

この状態になれば、資産を減らすことなく、運用益で生活していくことが可能になるので、Financial Independence、つまり経済的自立を達成したことになる。

この状態で会社を退職し、運用益だけで生活すれば、Retire Earlyとなり、FIREが達成したことになる。あとは残りの人生を好きに生きてくださいという状態を、めでたく達成したことになる。

王道の積み立て投資でFIREを達成するためには

FIREを達成するためには、インデックスファンドの積み立て投資で資産を蓄積するのが王道らしい。試しに毎年4%で運用できたとして、毎月いくら積み立て、何年運用すればよいのかを、単純にエクセルで計算してみることにした。

毎月に15万円を積み立てるとして、それを154ヶ月、約13年間積み立て続けることで、資産は約3千万円となり、毎年の運用益は、は約120万円となる。

この時の投資総額は2310万円であり、さらに積み立て期間中の運用益が約700万円となり、合計で3千万円の資産を築くことができるのである。

つまり、毎月15万円、年にして180万円を13年積み立て続け、それを年4%で運用し続けることができるなら、独身で1ヶ月10万円のケチケチ生活ならFIREは達成可能となることになる。

さらに、マイホーム・マイカーあり、奥さんは専業主婦、子供ありといった家族持ちのように毎月35万円、年間420万円の支出があるような場合はどうすればよいかというと、毎月15万円積み立てを365ヶ月、つまり約30年、積み立て続ければ、資産は約1億5百万円となり、毎年の運用益は、約420万円となり、毎月の支出35万円と釣り合うことになる。

この時の投資総額は5475万円であり、さらに積み立て期間中の運用益が約5000万円となり、合計で1億5百万円の資産を築くことができるのである。

毎月15万円を30年間とは気が遠くなるような数字である。そもそも30年も積み立てていたら、もうRetire Earlyではないんじゃね、そもそもこのインデクスファンドの積み立て投資法は、家族持ちがFIRE達成するのは無理じゃねと思うわけである。

実際にインデックスファンドの積み立て投資で、専業主婦の奥さんと子供がいる家族でFIREを達成することができた人はいるのかな?と疑問に思っている。

積み立て投資で家族持ちがリタイアするのは難しい

家族持ちとは言え30年の積み立ては長すぎると、仮に先ほどの独身ケースと同じ期間13年の積み立てで1ヶ月あたり35万円の運用益を達成しようとなると、前回の月10万円の独身ケチケチ生活モデルの3.5倍の積み立てが必要となり、毎月15万円×3.5=52.5万円の積み立てが必要になる。これは、もはや、無理ゲーの世界である。

それでも家族持ちが一か八か短期間でFIREを目指すなら、リスクを覚悟で運用利回りの高いファンドや投信に、目いっぱいの資金を張り続けていくしかないのだろう。1億円の目標額に達したところで、安全な投資に切り替えていくということになる、

こうなると、うまく行った人は達成可能、失敗すれば元本割れの大損と結果が二極化されてくると思われる。

また、家族がいるのに、リスクの高い商品にFIRE目指して、毎月、何十万円も突っ込み続ける精神構造の人はいるのだろうかという疑問もある。

やはり、家族持ちが積み立て投資法で、FIRE達成するのは難しいのかなと感じる。

今の私の状態は何?

ここまで考えると、自分の今の状態はなんだろうか?ということを考えるようになる。

私の場合は、結婚してすぐに購入した不動産は自宅であった。この段階では、将来、不動産投資をして、そのとき勤めていた会社を退職するなどという考えは毛頭なかった。

その後、小規模小借金の不動産投資でFIRE・セミリタイアする方法の概要 で書いたように、手元資金が200万円ほどできたときに、銀行に預けるより効率的に運用できないかと不動産投資を開始した。この段階で、私はすでに、妻が専業主婦である家族持ちであった。

実際の自分の不動産投資において、月々のキャッシュフローが35万円になったタイミングを見てみると、ちょうど、私の小規模不動産投資における物件購入の条件と実例 で書いた区分10室を購入し、事業的規模を達成した頃が、その時期にあたる。

それまでに、自分はいくら不動産投資に自己資金をぶち込み続けたのだろうか?

自分の投資状況を改めて見直してみると…

ようやく自己資金を回収!物件毎の収支を再集計する で書いたように、毎年、物件毎の購入時の自己資金とその後のキャッシュフローをまとめたエクセルファイルを更新している。

区分10室到達した時の過去ファイルを見てみたところ、投資を始めて8年間で、約1500万円の自己資金を投入し、また、物件から8年間トータルで約1200万円のキャッシュフローがあり、それもすべて投入することで、トータルで約2700万円の投資により、区分10室を購入し、毎月のキャッシュフロー約35万円を得ていたことが分かった。

物件からの1200万円のキャッシュフローというのは、ようやく自己資金を回収!物件毎の収支を再集計する にも書いたように、総家賃収入からすべての出費を差し引いた純キャッシュフローである。

差し引くものとしては、固定資産税、管理費、修繕積立金、原状回復費、機器の故障時の修理代、賃貸募集時の広告費、ローンの返済など、運営上の出費はすべてカウントしている。

キャッシュフローを求めるので、ローン返済は金利だけでなく、元金返済分も出費としてカウントしている。

そして、この純キャッシュフローのすべてを自分に使うことなく、次の物件取得に再投資している。

不動産投資なら家族持ちでもリタイアは可能か?

トータルの投資金額の2700万円というのは、物件価格の総額が2700万円というわけではなく、これ以外に4500万円のローンは引いている。

さらに細かく言うと、それまで購入した物件価格の総額が2700万円+4500万円=7200万円というわけではなく、2700万円には、ローンで賄えない頭金に加えて、購入時の仲介手数料、登記費用、不動産取得税、ローン事務手数料などの初期費用もすべて含んだ金額である。

よって、集計上においては、不動産取得と賃貸に関わるすべての出費は、カウント済の数字となっている。

まとめると1ヶ月35万円のキャッシュフローを得る状態になるために、

ローン 4500万円
純キャッシュフローの再投資 1200万円
自己資金 1500万円
総額 7200万円

の投資を8年かけて行ってきたことになる。

自分の給料から、8年にかけて総額1500万円、投資したとなると、1ヶ月あたり、

1500万円÷8年÷12ヶ月=約15万6千円/月

となり、さきほどの積み立て投資の例とほぼ同じ金額となった。

つまり、毎月約15万円を8年間、総額約1500万円を不動産投資にぶっ込むことで、月35万円のキャッシュフローが得られたことになる。

これは、例として計算した積み立て投資の月10万円独身ケチケチ生活ケースの投資総額より少ない。

家族持ちの場合は、子供が小学校4年生くらいまでしか、お金は貯まらない。それ以降は生活費、教育費、医療費など。出費がかさんで、お金を貯めるどころではない。つまり、お金を投資できる期間に限りがある。

今回の集計結果から、同じ毎月15万円を突っ込むなら、家族持ちの場合、インデックスファンドの積み立て投資をするより、不動産投資をしたほうが、リタイアできる可能性はあるように感じる。

やはりFIREには不動産投資が有利か

上で書いた私の例ように、不動産投資は投資元本に対して、大きなキャッシュフローを出せることから、家族持ちがリタイアするには、インデックス投資より不動産投資の方が実現可能性は高いと、私は考えている。

ただし、条件があって、粘り強く割安かつキャッシュフローの出る物件を探して、なんとか入手するという努力をするという前提である。

しかし、頑張りによっては、私以上のパフォーマンスを出すことはそれほど困難ではない。そういうポテンシャルを不動産投資は持っている。事実、私より成功している不動産投資家は数えきれないくらい存在している。

以上の理由により、もし、家族持ちだが、FIREしたいと思っている方は、不動産投資を勉強してみることをお勧めしたい。

私の今の状態はFIREと言えるか

話は最初に戻るが、私の今の状態はFIREと言えるのだろうか?

確かに、退職して会社に依存していない状態で生活しているので、Financial Independence(経済的自立)とは言えるかもしれない。

言えるかもしれないと推測の表現になっているのは、毎月の収支が黒字と赤字を行ったり来たりで、少々、怪しいところもあるので、そう表現している。

次に、40代で会社を退職しているので、Retire Early(早期に退職する)と言ってもいいのかなとも思う。

そうなるとFIREでいいのか。

しかし、会社は退職したが、完全に仕事をしていない訳ではなく、預金額の6月末update~再び、少々の黒字~ で書いたように地味に大家の仕事はしている。

退去時の対応や入居者募集の対応がメインだが、時には、自ら空室の物件の草むしりをしたり、網戸の網を張り替えたりするときもある。また、簿記資格を取得しているので、帳簿付けや確定申告も自分で行っている。

それでも、全体の仕事量は会社員時代に比べれば、圧倒的に少ない。

仕事の少ない大家業とはいえ、今も働いてはいるので、Retire Earlyというよりは、セミリタイアというほうが、しっくりくる。

もし、収入に余裕があって、管理も丸投げ、確定申告も丸投げできるようなら、大家としての仕事はほとんどないだろうから、セミリタイアというより、Retire Early、つまりFIREと言ったほうが良いかもしれない。

ということで、私の場合は今のところ大家業の仕事があるので、このブログのタイトルは「セミリタイア」のまま変更しないでおこうと思っている。

しかし、セミリタイアと言う言葉が死語になりつつあると感じたときは、タイトルを「小規模小借金の不動産投資でFIREした私の方法」に予告なく変更するつもりである。※


※2022-7-18追記 ブログのタイトルだが、現在は間を取って、「小規模小借金の不動産投資でFIRE・セミリタイアした私の方法」とした。


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自己紹介


弱小大家父さん

借入総額4500万円で区分所有9室、一戸建て4戸を取得し、2018年に退職しセミリタイア生活を開始。専業主婦の妻と子供一人の三人家族。投資エリアは、首都圏1都3県と大阪府。


Twitterもやっています
弱小大家父さん@FIRE/セミリタイア生活


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