私はAmazonプライムの会員なのだが、Amazon Prime Readingという特典があることを、恥ずかしながら、つい先日まで知らなかった。
せっかく会員特典で無料で本が読めるのなら、なにかFIRE関係の本を読んでみようと、Amazon Prime Readingで読める普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門 を読んでみた。
この本には、税制優遇と公的年金を有効活用して、手堅くFIREする方法が書かれていた。
最初から取り崩すFIRE方法
FIRE(Financial Independence, Retire Early)と聞いたとき、FIの経済的自立とは、生活費が完全に資産からの収入で賄える状態であると、私は解釈していた。
例えば、1億円の資産があり、年4%で運用するなら毎年400万円の運用益があり、毎年400万円で生活するなら、1億円の資産は減ることは無く生活し続けることができるという状態が、経済的自立であると解釈していた。
それに対して、普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門 でのFIREは、生きているうちにお金が尽きなければ良いという思想で書かれている。つまり、退職直後から資産を取り崩して行って、自分の寿命が来るまで、その資産の取り崩しができれば、FIRE成功という思想である。
この本のFIREでは公的年金も、『死ぬまで無条件でもらえる「金融商品」と考えれば公的年金は最強である』として、65歳以降の収入に当てにする。
年金を当てにする分、FIREに踏み切るときに必要な資産額は抑えられるという計算になっている。
FIRE後に使うお金はいくらか見積もる
まずは、FIRE後に使うお金の総計を計算している。
65歳からの生活に必要なお金は、受給する厚生年金に加えて、
(老後2000万円問題の2000万円)+(FIREによる厚生年金の減少分の補填)
が掛かるとのこと。
以前、金融庁より、豊かな老後を送るには、標準的な夫婦(妻は専業主婦)の年金支給額である月額22万円だけでは足りないので、老後を迎えるまでに2000万円を用意しておく必要があるという報告があった。
生活するだけなら公的年金だけでもなんとかなるが、豊かな老後を送りたいなら、退職する65歳時に、2000万円持ってリタイアしたほうがいいよという話である。
せっかくFIREするのなら、ギリギリ生活だけでは味気ないので、この2000万円は65歳時に確保できるように、FIRE資金に盛り込む。
さらに、仮に50歳でFIREすると、65歳まで勤めた場合に対して厚生年金の納付額が少なくなるので、65歳からの年金受給額が下がる。
50歳で退職した分、65歳から寿命まで受給する年金額がトータル1000万円程度少なくなるとして、この分もFIRE資金に盛り込む。
以上により、50歳でFIREした人が65歳以降に必要なお金の総計は、
2000万円+1000万円=3000万円
となる。
また、50歳から65歳までの生活費は年400万円として、
400万円×15年=6000万円
をさらに足して、50歳でFIRE後、寿命までに必要なお金は、
3000万円+6000万円=9000万円
と計算される。
さらに退職後の運用を考える
50歳でFIREするのに必要なお金は9000万円となると気が遠くなるような数字だが、退職後の運用を考えると、さらに金額を下げることができる。
50歳で退職後、FIRE資金を手堅く年2%で運用するならば、7000万円あれば、なんとかなりそうとのこと。
退職後から手堅く2%で運用するならば、50歳時は140万円の運用益があり、年400万円で生活するなら、その年に取り崩す資産は260万円で済む。
年を追うごとに取り崩す金額は徐々に増えて行くが、65歳時に2400万円ほど残る。
3000万円に少々足りないが、50歳退職時に9000万円は必要ないことが分かる。
それでは、どうやって貯めるのか
50歳までに7000万円を貯める方法として、普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門 が紹介しているのは、税制優遇のあるiDeCoとNISAである。
ちなみにこの本では、40代でのFIREは難易度が高すぎるので、お勧めしていない。
さらに、個別株、FX、不動産投資などリスクが高い投資は推奨していない。
実際にどうやってFIREに必要なお金を貯めるのかというと、大学を22歳で卒業してから50歳まで、iDeCoとNISAそれぞれ、
iDeCo 毎月2.3万円
NISA 毎月10万円
を積み立てる。
つまり、iDeCoと一般NISA(非課税枠120万円)を限度額目いっぱい28年間積み立て続ける。
積み立てる金融商品は、年4%の運用益を狙って、バランスファンドやETFを利用する。
年4%で28年運用することで、最終的に運用益含めて7600万円(税別)になる。
一般NISAは5年間保有すると課税される総合口座に移るので、最終的な手取りはこれより少なくなるが、少なくとも7000万円はこの方法で貯めることができる。
2021年7月発行のこの本には書いていないが、2024年から始まる新NISAなら、積み立て投資で120万円の非課税枠があるので、現行の一般NISAで120万円を積み立てるよりは、税制上有利になる。
また、iDeCoの積み立ては60歳以降でないと解約できないので、この分は60歳以降の取り崩し用に使う。
以上のように、iDeCoとNISAを最大限に有効活用することで、個別株、FX、不動産投資などのリスクが高い投資をせずとも、50歳で7000万円以上の蓄財ができ、FIREがすることが可能になるというものだった。
この投資法について思うところ
私の実際の不動産投資を私の小規模不動産投資における物件購入の条件と実例 や物件購入の失敗と逆転を生む売却 で書いたが、確かに不動産投資は失敗のリスクやかなりの手間が伴う。
FIREを目指して不動産投資を始めたが、短期間でFIREできるどころか逆に損をしたということも、リスクがある以上、当然、起こりえる。
また、本業に忙しくて、投資に手間を掛けられないという人もいると思う。
その点、時間は掛かっても、税制優遇のあるiDeCoとNISAを年4%の運用益を狙って、バランスファンドなどに満額積み立てておくというのも、FIREする手段の一つになるかもしれない。税制優遇がある分、有利に資産形成ができるだろう。
FiREしたいが、どこから手を付けていいか分からないという方は、とりあえずiDeCo+新つみたてNISAの満額積み立てから始めてみるのが良いと思う。
他の投資がしたくなったら、NISA分を売却して、他の投資の資金にすればよいので。
公的年金と税制優遇のあるiDeCoとNISAの3つの組み合わせだけでFIRE達成する道が、計算上はあるというところに驚きはあった。
詳細が気になる人は、普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門 を読んでみてほしい。Amazonプライム会員なら、Amazon Prime Readingで無料で読むことができる。
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