給水管を引き直す工事を開始したところ、新しい給水管へ分岐する場所に、そもそも給水管が存在していないという非常事態が発生した。
いったい給水管はどこを通っているのか?
前回蛇口から水が出なくなる その4 に書いたように、トイレに向かう新しい給水管の分岐を散水栓の東側に作ろうとし、その場所のコンクリートをハツって、その下の土を深く掘ってみたものの、散水栓に向かっているだろう給水管は存在せず。
「これは一体どうしたらいいんだ?今日、トイレは復旧しないのか?今日も水汲み地獄か?」と、私が茫然としていると、業者のおじさんは、
「なんとかしますので、待っていてください。」
と言うので、仕方なく家の中に入り、改めて設計図を見直すが、給水管が見つからない原因が思いつかない。
そして、30分くらい後、業者のおじさんは、
「15分後に断水しますので、トイレとか済ませておいてください。」
と言ってきた。
「見つかったんですか?」私は驚き、詳細を聞いてみた。
すると、あの後、散水栓の根元を掘りまくったところ、散水栓への給水管は、散水栓の西側から来ていることが分かったとのことだった。
通りで散水栓の東側を掘っても給水管が見つからないはずだが、我が家の土地の北東端にある水道メーターといったいどうやって繋がっているのかの疑問は残る。
家の北側の幅50~60センチの狭い幅を通って来るしかないはずだが、そうなると今回掘った散水栓の東側を必ず通るはずである。
この散水栓まで給水管はどこを通ってきているのだろうか?まったく想像がつかないが、
「設計図通りでないことは、多いんですよ。」
という業者のおじさんの言葉に後押しされ、とにかく先に進むことにした。
散水栓の蛇口がもともとかなり深い位置にあったので、散水栓の根元で、新たな給水管を分岐し、散水栓の東側に開けた穴から、給水管を取り出すことにした。
本日中の復旧へ向け、次なる難関に立ち向かう
そして、断水が始まった。時刻はすでに15:15である。
1月下旬で、まだ日が暮れるのは早い。今日、本当にトイレに水が出るようになるのか?と思いつつ、スマホを見ながらウトウトしていると、
「穴を開けるので、寸法を測らせてください」
と、業者のおじさんはトイレの中に入っていった。
ここで再び難関が。
今回、給水管をトイレの外まで引き回し、それを壁に穴を開けてトイレ内に引き込み、トイレ内に新たな止水栓を作るのだが、通常は便器を一旦取り外して、家の中から外に向かってドリルで穴を開ける。
しかし、今回は工期短縮のため、便器を外さず、外から穴を開ける。中から穴を開けた方が、穴がきれいに仕上がるし、場所も間違いないのだが、今回は工期優先で外から穴を開けることになった。
穴の位置を出来るだけ正確にと、業者のおじさんはトイレの窓枠の角から寸法を測り、そして、外から穴を開け始めた。
後で聞けば、トイレの外側のスペースが狭く、ドリルが垂直に立たないために、ドリルを斜めに入れて、途中から垂直にしたのだそう。なんとも、荒々しい工事である。
私はトイレの中から、穴がいい位置に開いてくれ、開いた瞬間、クロスがボロボロにならないでくれと祈りながら、貫通を見守った。
すると、
ボスッ
という音とともに、ドリルの先端がクロスを破って頭を出した。
場所は完璧、クロスも傷んでいない。
私はトイレの中から、「いい位置に開きましたよ」と業者のおじさんに声を掛けると、
「これで、今日の復旧は確実になりました」とのことで、こうして、なんとか最後の難関はクリアできたのである。
水が出ない!
その後、工事が終わったのは17:30ごろだった。すでに辺りは暗くなってきている。
元栓を開栓して、いよいよトイレを流してみた。
「あれ?」
蛇口から水が全く出ない。工事は失敗!また、水汲み生活か!と落胆する。
業者のおじさんは、「家の中の蛇口を開けてもらえますか?」というので、キッチン、洗面所、風呂場の蛇口を開けてみた。
そのまましばらく待っていると、トイレの蛇口から勢いよく水が出てきた。
どういう理屈かよくわからないが、そういうものらしい。2日ぶりにトイレの蛇口から水が出てくるのを見た。
しかし、本日はあくまでも暫定復旧で、ハツった穴もそのままであり、その穴から給水管がコンクリートや土の上、ところによっては空中を進み、トイレの外側に開けた穴に到達していた。
業者のおじさんは、「明日、埋めますので、もし誰か管を蹴っちゃって水が噴き出したら、夜中でもいいので携帯に電話してください。」と言って、帰ろうとした。
私は、「難工事をありがとうございました。一日で水が出るようになって、たいへん助かりました。これ夕飯代の足しにしてください」と言って、ごく少額を入れたポチ袋を渡そうとしたところ、
「そういうのは頂かないことになっていますので。お気持ちだけ頂いておきます。それに、もっとヤバい工事はいっぱいありますから」と言って、颯爽と帰っていった。
その日の夜は、トイレで用を足し、水を流すと、不思議と笑みがこぼれた。水を汲まなくていいことがどれだけ快適なことなのか、当たり前と思っていたことが、どれだけ有難いことなのかを気づかされたようである。
聞けば、家族も同じように水を流すと、自然と笑みがこぼれたらしい。
セミリタイア生活維持に影を落とす自宅の修繕費
自宅は築16年ですでにいろいろとトラブル発生している。先日、預金額の増減 2024年を振り返る で書いたように、エアコンの隠蔽配管の爆弾も抱えている。
以前に小規模不動産投資のFIRE・セミリタイアは成功か失敗か検証する で書いたように、セミリタイア生活を苦しくする要因として自宅の修繕費を想定していたが、ちょっと、壊れるのが早すぎやしないだろうか?
とにかく、今の自宅を出来るだけ維持して長く済み続けられるかどうかがセミリタイア生活の成否に大きく影響すると考えているので、問題が発生したときには、一つ一つ、創意工夫で乗り越えていくしかない。(完)
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